映画クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国@シネマサンシャイン平和島http://www.shinchan-movie.com/

qbert2009-04-26

エコという素材を持ってきたり、近作の中ではまとまっている方ではあると思う。
ではあるのだが・・・

偉大な先達の後を受け、商業的に成功させるという制約の中、先達の偉業を越える冒険がどれくらい出来るかという、勝ち目がほぼ無い消化試合に付き合わさせられる感じ。
過去作のモチーフを使い回すのは仕方ないと思うものの、劣化したパロディは見てて痛々しい。
『しんちゃんのお尻で我に帰るみさえ』のシーンで、何とか肯定しようと積み上げていた評価を根底から崩された感じがした。

元々、「小学生低学年のお子さん」と「その親」という、ともすれば背反しがちな2つのターゲットニーズを両方満たすという無茶を通してきた本シリーズではあるが、今回はオトナに振って、オトナ帝国のセルフパロディみたいになりつつも、オトナ帝国を超えられないという不完全燃焼感が拭えない。
後ろの席で、ゴンゴン前の背もたれを蹴りながら、「しんちゃんは?」と再三親に聞いてた子供のリアクションを聞くにつけ、そろそろ正しいターゲットに絞って作らないと厳しいのでは?とも思う。